Editor's note 2014/6


季節の花:八重のドクダミ

 戦後67年の風雪に耐え、平和日本の礎となってきた現憲法をこぼち、性懲りもなく戦前の軍事国家体制(レジーム)に回帰しようと先を急ぐ、安倍政権の暴走を阻止するにはどうすればよいのか。

残念ながら次回の国政選挙まではかなり間がある。参議院が2016年夏、衆議院は同年暮れの予定である。壊憲のためには手段を選ばぬ安倍政権が、その野望を成就するには十分な時間的余裕といえるだろう。

 
だから、このまま拱手傍観しているのは、5月の「編集ノート」冒頭で紹介した年賀状氏の危惧する「日本の亡国」に加担するのと同じ事になってしまう。従って、平和を愛する国民は老若男女が一体となり、今、為政者に待ったをかける行動に出るしかない。

 こで私は色々と考え、全国的な運動を展開している「九条の会に加入した。この会の存在は2004年の創立当初から、発起人の一人である作家・井上ひさしさん(1934〜2007)の活動を通じて知っていたが、今までは傍観者に過ぎなかった。しかし今回は、その井上さんの「日本国憲法が創り出した価値」という講演をYouTubeで見て、即入会に踏み切った。この人の話はいつも、その多くの小説や随筆や戯曲作品と同様に実におもしろい。1巻約7分 x 9巻で全巻合計約1時間のビデオがアッという間に終わった感じで、難しいテーマが分かりやすく語られていた。


 

 「九条の会」の設立発起人は9名だったが、その後の10年で井上さん他、小田 実(作家)、加藤 周一(評論家)、三木 睦子(元総理大臣・三木 武夫氏の妻)の3氏が逝去された。だから、その方たちのメッセージはもう聞けないと思っていたのだが、何と自宅で、居ながらにして生前の画像をYouTubeで視聴できたので感激した。興味が湧いて色々と他の資料も見ていたら「九条の会」の下に「音楽・九条の会」という組織があり、その賛同者に大先輩の小林 亜星さんと故・林 光さん、さらには大学楽友会の常任指揮者・栗山 文昭さん等のお名前を発見して意を強くした。亜星さんの賛同メッセージ欄には「今こそ我々自身の手でしっかりと掴みとろう。9条は日本の誇り、人類の悲願。おぞましき殺人を美化するものを許すな!」とあった。全く同感である。なお、この「音楽・九条の会」は音楽のプロだけで構成されているわけではない。むしろ圧倒的多数は私のような合唱団員や普通の音楽愛好家であり、「九条」の「9」をもじって「ベートーヴェンの第9」を演奏したこともあるらしい。考えてみれば「・・・あなたの翼の下で、時の流れによって遥かに隔てられていたものも、すべての人々は皆兄弟となる・・・」と歌うこの曲(歓喜の歌)ほど「平和憲法」にふさわしいものは他にない。「音楽・九条の会」の新しい仲間たちと一緒に、この曲をもう一度歌う楽しみが増えた、と思った。

九条の会 https://www.9-jo.jp/   音楽・九条の会http://ongaku-9jo.net/

 ローバル エリート誌として定評ある英「エコノミスト」が「日本は、人類がまだ見たこともない老人の国へと突き進んでいる。2050年における日本人の平均年齢は52.7歳。米国人のそれは40歳」という予測を発表し、世界的に大きな反響を呼んだ(日本語版「2050年の世界」文芸春秋社刊2012年)。事実、既に日本の総人口は05年から減少に転じ、先月31日の朝日新聞は朝刊トップに「人手不足列島」という大見出しを掲げ、今の日本では生産年齢人口(15~64歳)が払底し、「働き手争奪」の様相を呈していると報道していた。それにもかかわらず、安倍政権は集団的自衛権を発動し、自衛隊のミッションを拡大する。これには数十万人単位の大幅な増兵が必要となるはずだが、どう対処するのか。兵員は徴兵制をしき、強制的に青年男子をかき集めることができるだろう。だが、それでは日本の農・水・工・サービス産業の人手不足はさらに深刻化し、GDPは急落し、財政・家計がひっ迫し、日本は一挙に「衰退」する。

これについて首相はもとより政府もマスコミも何もコメントしていないが、なぜこんな基本的なことが、今まで国会で取りざたされてこなかったのか。こんな単純な損得勘定もせずに、空論に終始している国会が情けない。民意なぞ、少しも反映していないではないか!

 憲論者たちはすぐ「日本も『普通の国』になれ」という。が「普通の国」とは何か?「20世紀は戦争の世紀」といわれた。だから「軍隊を有する国」が「普通の国」であったことは分かる。だが1945年の第二次世界大戦終結をもって戦争の時代は終わった。もちろん未だに世界各地で戦火は絶えない。だが、少なくとも先の大戦当事国(米・英・仏・ソ・中・蘭・独・伊・日本)間の戦争はない。一時的に「ならず者国家」の挑発はあっても先進諸国は先ずもって協調し、経済制裁等の非武力的手段で対抗する。従って今世紀はむしろ各国軍の兵員削減や軍縮が主流となっている。人類は過去に学び、賢明さを増し、戦闘行為は避けるようになってきた。日本はその先駆けとして、これからも「恒久平和を国是に掲げる理想の国」であり続けるのが「普通」ではないのか。

■ まけにエピソードを二つ。

@ 北海沿岸にオランダのハーグという都がある。風景も美しいが「平和の都市」といわれるほど多くの国際機関が参集し、さまざまな人種や国民が平和に共存している情景が見事である。当地で第一回「国際平和会議」が開かれたのは1899年のこと。その時は「戦争する場合は武力を行使する前に、相手国にその旨布告すること」と「毒ガスや青酸カリなどの毒物を用いないこと」が決められ、すぐ国際法に採用された。2回目の会議は1907年で、この時はより詳細な戦争のルールが討議され、56箇条からなる有名な「ハーグ陸戦規則」が戦時国際法に採用された。そして第三回が「平和市民会議」。時代は跳んで1999年5月のこと。この会の主催者は非政府組織(NGO)で、参加者は世界百カ国以上から集まった一万人の反戦・平和団体の人たちであった。4日間にわたる会議の最終15日。閉会式でアフリカの少年たちのグループ10人が横一列に並び、次々にその会議での討議・決定事項を1人1項目ずつ順に大きな声で唱えるセレモニーがあった(ユース・アジェンダ=少年憲章)。その最初の少年が誇らかに告げたのは「各国議会は、日本国憲法第九条のような、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」という訴えだったという!

A 次のニュースは多くのマスコミで報道されたからご存知の方も多かろう。朝日新聞デジタル:4月11日(金)の記事を転載させていただいた。

「憲法9条にノーベル平和賞を」推薦受理 ― 実行委に連絡

戦争の放棄を決めた憲法9条をノーベル平和賞に推した「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・神奈川県相模原市)に、ノルウェー・オスロのノーベル委員会から推薦を受理したとの連絡があり、正式に候補になったことが分かった。

連絡はメールで9日夜、実行委に届いた。「ノーベル委員会は2014年ノーベル平和賞の申し込みを受け付けました。今年は278の候補が登録されました。受賞者は10月10日に発表される予定です」との内容だ。

事務局の岡田えり子さん(53)は「受理されてうれしい。受賞者は個人か団体となっているが、受賞者を日本国民としたことを委員会は受け入れてくれた。これで日本国民一人一人が受賞候補者になった」と話した。

この受賞は「アベノカイケン(壊憲)」によって実現が危ぶまれるようになった。だが、現行憲法は@のエピソードにあるように、時代を先取りした先見性が国際的に認められている、と同時に、歴史的には聖徳太子の「十七条憲法(6-7C. ?)」からイギリスの「マグナ・カルタ(大憲章/1215年)」と「権利章典(1689年)」、アメリカの「独立宣言(1776年)」と「成文憲法(1788年)」、それにフランスの「人権宣言(1789年)」といった人類共通の普遍的な価値観を織り込んだ、世界に稀有な傑作なので、十分にノーベル平和賞受賞に値するものと確信している。

(以上は私個人の意見であり、所属する組織の意見を代表するものではありません)


(‘14年6月7日・オザサ)


祝・優勝(6月1日)


山崎陽一(pf) 岡部正二(tp) 寺田 厚(dr) 高津俊次(ts) 栗原和夫(bs)
Five Brothers(15年位前)

Atsushi Terada & his "Five Brothers”楽友三田会の新年会に「ジャズバンドを入れよう」はカッパの仕業であります。

1995年の新年会は当番幹事でした。ちょっとだけ洒落て余興にジャズをやろうと寺田さんに相談しました。

「岡忠さん、大丈夫かよ?」
 

「大丈夫だよ。岡忠さん、カッパのやることは何でもニコニコして見ていてくれるんだから」

カッパは高校の時、岡忠さんから「お前は試験免除だ」という優等生だったのです。絶大なる信用があったのです。ここでは書きませんが、ちゃんと理由があるのです。

寺田さんは喜んで納得してメンバーに了解を得てくれました。それで、初めて楽友三田会の新年会にジャズバンドが登場したというわけです。寺田バンドでは7期の栗原和夫さんがベースを弾いています。随分昔になりますが、永代橋のある店で毎月ライブがあり、カッパはよく歌わされました。

Five Brothers40周年のパーティは1996年に新橋の第一ホテルで開かれ、このときはこのオリジナルの5人に稲畑武雄(Baritone Sax)さんと白石惠一(Tenar Sax)さんを加えた4管の編成で演奏しました。50周年のパーティは赤坂のキャピトルホテル東急で開催されました。このパーティでは山崎さんの代わりに、寺田さんと仲の良いプロのジャズ・ピアニスト、岩崎佳子が弾きました。

多くの楽友は「第1回オール楽友会ファミリー・コンサート(AGFC2011)」に出演したことをご存知かと思います。


AGFC 2011

今は亡き山崎さんの代わりに後輩の中田光雄(リトルマヌエラ店主)がピアノを弾いています。一度、新年会にもこのメンバーで来ています。この写真はキャベツ(森脇恵子・10期)がカンツォーネを歌っているところです。

 3年ぶりの復活ライブ楽友会の新年会には寺田バンドは常連となっていたのですが、ここ2,3年は寺田さんが大病をしてから、体調が優れずお休みしてきました。人混みで細菌に感染することを避けるため自宅から外出禁止だったのですが、ぎりぎり外に出られるようになったのだと思います。

「銀座のBRBでライブをやるぞ」

と知らせが来ました。そのライブが先週、5月の最終土曜日31日にありました。

カッパは当日5時からある悪友の出版記念パーティがあり、推薦文まで書いているのでご挨拶をしなければなりません。じつは、悪友が原稿を書き出したころ、オザサに「こんな時評を書く奴がいる」と知らせたら、「これは出版させろ」というご意見でした。著者はこのやり取りを憶えていて「先輩に1冊進呈してください」と送ってきたばかりです。1時間だけ居て抜け出して銀座に向かいました。 ⇒ 時 評

もう、始まっていました。酸素ボンベから酸素を吸入しながらのドラミングです。その姿を見るだけで、カッパも息が詰まります。寺田さんは静かに控えめに噛みしめながら叩きました。感動的でした。


岩崎佳子(pf) 岡部(tp) 栗原(bs) 加藤文代(vo) 寺田(dr) 高津(ts)
Five Brothers BRBライブ(5/31)

ピアノは岩崎佳子です。それに、Vocalの加藤文代は寺田バンドの古くからの専属歌手です。カッパは8年ぶりに会いました。もう一人、寺田さんの仲良し歌手に大ベテランの園田まゆみがいます。わたしも園田まゆみが岩崎佳子のピアノと稲葉国光(80歳のベーシスト)の伴奏で歌うのをよく聴いたのですが、2人も応援に来てくれました。


稲葉国光(bs)  園田まゆみ(vo)  寺田(dr)

当日の写真提供:河合潤子(32期)

稲葉さんは昨年の暮に沢田靖司ライブでお会いしていますが、園田さんは4,5年ぶりでした。久し振りに話をして、なんか若々しくなっていました。寺田さんのお世話で赤坂のマヌエラで2,3ヶ月毎に2年くらい続けてゲストデーに出演してもらったことがあります。

 勢の楽友が集合:以前も銀座BRBで寺田バンドのライブがありました。そういう時には楽友会の先輩後輩が大勢集まってきますが、今回はいつもにも増してびっくりするくらい仲間が集合しました。それから、体調不良でずっと新年会も忘年会もご無沙汰続きのわが編集部の主幹、オザサが来てくれました。前の晩にメールで「折角会えると思っていたのに、参加者のリストにカッパの名前がないが来ないのか?!」と。「だいじょぶ、だいじょぶ、行きますよ」で久し振りに顔を見ました。顔だけ見ていたらどこが悪いのかと思いますが、外出らしい外出はできません。

 0周年はすぐ:あと2年で寺田バンドは還暦です。それまでにもっと身軽に動けるよう元気になってもらって盛大なパーティを開いて欲しいと思います。「かめさん、すぐだよ!」


(2014/6/7・かっぱ)


編集ノートの編集後記 
カッパだって小笹主幹と同様に反戦主義を支持します。2010年9月の編集ノートで、”What A Wonderful World”はベトナム戦争の反戦歌として生まれたことを書きました。アメリカという国はいい国なのですが馬鹿者が多く、Billboard誌で年間のHit Song Chart Top 100に入っていないのです。あの名曲がアメリカではヒットしていないということです。

イギリスでHit Chart No.1になりました。ABEもISHIBAもどういう人種なのでしょうか。若者が国会にデモをしなくなって50年以上が経ちました。60年安保騒動のとき、慶應の学生たちはデモ隊の一番後ろからついて行きました。それが回れ右で先頭になって沢山の塾生が警視庁につかまり豚箱に入れられました。女子学生が差し入れに行きました。

その何年か後、学生ストライキは日吉キャンパスの封鎖が日本で最初のものでした。学費値上げ闘争の時でした。三田でもそんな動きがあり塾監局を占拠しようとしました。そのとき学生たちを排除したのは、警官隊ではなく体育会のOB達、とくに柔道部、ラグビー部の身体が鋼のようなカッパの知り合いの先輩・同輩たちでした。全員つまみ出されました。誰たちの頃でしたかねぇ。つまみ出された人がいたら、教えてください。

憲法は自分の都合のいいようにひん曲げて解釈してはいけません。書いてあるとおり読みなさい。馬鹿じゃないか?(カッパ)


FEST