Editor's note 2015/2


雪中のバラ

 楽友三田会の新年会はお屠蘇気分で、というわけにはいかない。例年1月末から2月上旬に開催されるから、ほとんどの人はもう仕事モードになっている。とはいえ、さすが皆さん切り替えが早い。皆ニコニコ顔で現れるし、女性の和服姿もチラホラと美しく、会場はすぐ正月の祝賀ムードに戻って賑やかになる。だから<これはこれでよし>としよう。だがもう一つの関門が問題である。新年会の前の総会だ。
 

このため皆「おあずけ」を命じられた犬のように、目の前に盛られた酒や料理に手をつけられぬまま、再び仕事モードになることを強要される。しかし、これにはムリがある。何しろ懐かしい仲間の集いだから話したいこと、聞きたいことが山ほどある。日頃会いたくても会えない遠隔地の友もいる。で、役員たちに申し訳ないと思いつつも、議事はほとんど上の空で、ついつい夢中になって旧友たちとの談笑に興じてしまう。だから、非常に複雑な気分で前半を過ごすことになる。そこで考えた。一体「総会」とは何なのか、本当に必要なのか??? 

 規約第14条「総会」の5項には「会長の選任、事業計画、予算その他会の運営に関して特に重要な事項は、代表幹事会の決議に基づき、総会で承認を得なければならない」とある。だがこれは一種のザル法である。第一に総会の成立要件が書いてない。だから何名集えば「総会」といえるのかさえ分からない。普通は<全会員の2/3以上、少なくとも半数以上の出席をもって要件を満たす>となるのだろうが、もしこれを楽友三田会に適用したらどうなる? 現在の会員数はざっと数えて約1200人だから、その半数の600人が最低出席必要人員ということになる。だが、ここ数年の新年会出席者数は、これも大ざっぱな数字だが200人前後で推移しているから、とうてい総会の体をなしていないのだ。

 第二の問題は、仮に総会が成立したとしても<ある審議事項が否決されたらどうなるの?>という疑問が残る。これについての規定は何もないから、答えは誰にも分からない。たぶん規約作成者は<そんなことありえない!>と叫ぶだろうが、そうならばそもそも総会なんか<無用の長物>としか思えない。 このことは次の規約第15条(代表幹事及び代表幹事会・6項)を読めばよりハッキリする。ここには「本会の運営に関する重要な事項の決定は、代表幹事会の決議によるものとす」と明記してある。これは<本会の最高議決機関は代表幹事会である>と定義していることと同義なので、砕いて言えば<総会の承認の必要性はもとより、総会そのものの存在も不要>ということになるのである。

 以上をまとめれば「総会不要論」に落ち着く。楽友三田会は非常によく組織化された同好会で、ことに代表幹事会制度が今に至るまで非常によく機能し、盤石の体制を堅持する一方、多くの会員が毎週練習に集う合唱団の存在や、紙の機関誌と当ホームページの発行が有効に機能し、二千人を超えると思われる会員、現役、関係者間のコミュニケーションも非常に活発に行われている。これ以上何が必要なのか。形式的な総会など全く不要と思うのだが、せめて新年会と総会の抱き合わせ開催は避けたいものである。

もしも会員の総意を問う必要のあるような案件があるのなら、国民投票ならぬネットを駆使したアンケート調査でも実施すればよいのではないか。賢明な諸兄姉のご異見をぜひ承りたい。編集部にご寄稿いただければ幸いである。 ⇒ 編集部

(オザサ/2015年2月7日)
 

楽友ヒットカウンター(2/3)

 Hit Counterラッキーナンバー:2月3日は節分の日でもありますが、福沢先生のご命日です。若いころはちゃんとお墓参りに行きました。でも、忘れることは無く、心の中でお参りをしています。

さて、夜8:00でした。「新年会速報」もやっと2日のうちに出来上がり、どこか直すところはないかと「楽友」を開いてびっくり、ヒットカウンターの値が77777と7並びです。

私の前後に訪問された方は、惜しいところでした。私がラッキーを独り占めにしてしまいました。

こんなもの見ない方は一生見ません。私のような人間はしっかり見ているのです。
 

文字通り、「楽友」のトップページを誰かが開くと数値が1ずつ繰り上がります。ところが、「楽友」の訪問者の累積数は300,000人を越しています。私が毎日の歴訪者をサーバーの記録から調べた数字です。

多くのリピーターはこのトップページを経由しないで、「楽友」を見ているのです。賢い人は「最近の更新記録」のページをお気に入りに入れて置くのです。直接、更新されているか、どんな新しいページが書かれたかを見て、見たいページへと飛んでいくのです。したがって、手馴れた人はトップページに立ち寄ることが無いのです。

次の7並びは、777777の時です。私の生きている間には到達することはありません。50年か60年先のことです。


Ervin Drake(1919-2015)

 Ervin Drake 95歳で死去:2015年1月15日、Great Neck, NYの自宅で膀胱がんのため亡くなりました。American Guild of Authors and Composersの会長を1973年から1982年まで務めた作曲家でした。代表作に”It Was A Very Good Year”という作詞・作曲の歌があります。

誰もが「シナトラの歌だね」ということと思います。実際、1965年にシナトラがレコーディングし66年にはトップ10に入った歌です。しかし、この歌はドレイクが1961年に書いた歌です。

この歌を書くにはこんな物語があります。

ある音楽出版社の友達が「明日、キングストン・トリオのBob Shaneが来るから、彼らのために何か1曲書いてくれ」と頼まれて書いた歌が”It Was A Very Good Year”だったのです。
 

キングストン・トリオといえば、1958年に”Tom Dooley”という北カロライナの古いフォークソングを歌い、世界中で大ヒットさせました。ラジオから毎日聞こえてきました。彼らは自分たちのアルバム「Goin' Places」に”It Was A Very Good Year”を吹き込みました。Bob Shaneがソロで歌っています。しかし、これはシングルで出していませんし、ヒットチャートに出ることはありませんでした。

シナトラがこの歌がカーラジオから流れてくるのを聴いて、自分も歌いたいとカバーしたのです。これは大ヒットしました。何ともさびしい歌なのです。

 

http://youtu.be/xwv-DxOPhSc

シナトラが丁度50歳の時に歌った歌です。この当時の50歳といえば、今の70歳くらいの感覚かもしれません。シナトラは、ワインならばヴィンテージの年頃になった男が自分を回顧する歌を歌ったのです。後にマイウェイを歌うまでは、この歌が自分の人生を振り返るシナトラの代表曲だったはずです。それに、オーケストラ編曲はゴードン・ジェンキンスです。ジェンキンスのオーケストレーションは、何ともシナトラの歌を素晴らしいものにしてくれます。ジェンキンスの編曲はグラミー賞を取りました。シナトラも同様、男性ベストボーカル賞でした。

これを聴いて歌いたくなった歌手が世界中に現れて、50人以上の歌手が10ヶ国語以上の言葉で歌ったといいます。


Ward Swingle(1927-2015 )
 Ward Swingle 87歳で死去Swingle Singersの創始者Ward Swingleが2015年1月19日、Eastbourne,Englandで亡くなりました。 日本のメディアでは、訃報はどこにも出ていません。もう、誰も知らないのでしょうか。

Washington Postでは、Ward Swingle, musician who made Bach swing, dies at 87.と報じていました。

10数年前に書いた記事からです。1963年にパリに住むアメリカ人の音楽家、Ward Swingleがとんでもないグループを結成しました。バッハを「ダバダバ、ダバダバ」ってスキャットでやりだしたのです。

当時、アメリカからロックやポップスがヨーロッパに強い影響を及ぼす中で、彼は声楽の練習のためにバッハの”Well-tempered Clavichord”を使ってアカペラで歌わせていたのです。

 
じつはもっと昔からバッハを題材にして、声楽の基礎訓練に使っていたのです。彼は「バロック音楽の中で、バッハがもっともスイングする」と言っています。1963年にデビュー盤がPhilipsから出ますが、これがアメリカで大当たり。一躍、世界中に彼らの名が知れ渡りました。

Swingle Singersは彼以外はみなフランス人でした。その中にはミッシエル・ルグランの姉であるChristiane Legrandが含まれています。

これがオリジナルが1963年に歌ったバッハです。

 

http://youtu.be/n9AkQPTPvFs

1973年に彼はこのグループを解散し、イギリス、ロンドンに移ります。なぜなら彼はイギリスのコラールの伝統が好きだったからなのです。そして、ルネッサンスとジャズ・スタンダードとアバンギャルドをレパートリーに入れたかったのです。イギリスでよりクラシックの訓練をうけたシンガーを見つけ、イギリス人版のSwingle Singersが誕生します。

イギリスのグループはメンバーは代わりましたが、The Swinglesという名前で現在も続いています。

 

http://youtu.be/4xQdboqVOzA

(2015/2/7・かっぱ)


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