随筆コーナー

≪乾杯の音頭≫について


飯田武昭(6期)


最近テレビで「世界入りにくい居酒屋」という番組を見ているが、オーストリアのウイーン編やザルツブルグ編の居酒屋で、大声で歌われる乾杯の歌が耳に入って、私の大昔のドイツ駐在時代のことを思い出し、この小稿を記す気になった。番組では日本にいる若いタレント達がなんか大声で歌っていますねぇ。大声で歌うのが好きなのですねとか何とか合いの手を入れているが、ドイツやオーストリアのドイツ語圏の居酒屋で皆が歌っている歌は先ず一曲乾杯の歌―Ein Prosit・・・が殆どであることを知っていれば、居酒屋をより楽しめると思う次第で、小稿のコメントを進めてみたい。

日本では酒席での乾杯は〇〇を祝してとか、皆様のご健勝を祈念してとかで≪カンパイ!!≫となるが、同じようにアメリカでもFor Your Healthとかで≪チアーズCHEERS!!≫となるのが一般的と思う。ドイツ語圏でも同様に≪プロースト PROST!!≫となるが、少し砕けた集まりでは直ぐにさあ乾杯だ さあ乾杯だ 皆が集まったこの時に さあ乾杯だ さあ乾杯だ 皆が集まったこの時に 1、2、3、飲み干せ!乾杯!という歌が合唱で起こるのが常だ(Youtubeは下記のURLで)。この歌のドイツ語と和訳を下記に添付するので、ドイツ語に精通乃至は関心のある方はご覧あれ。

 

https://www.youtube.com/watch?v=iEXUqRcvUTg

ところでドイツには南のミュンヘンには、日本人旅行者にも有名なホッフブロイハウス(Hofbrauhaus)という大きなビアホールがある。この名前はホフブロイハウスというビール会社の名前をビアホールに冠した物で、日本にひき直したら差し詰めキリンビールハウスとかアサヒビールハウス、サッポロビールハウスといった呼称になる。

 

私がドイツに居た(1965年と1973〜77年)とき、北のハンブルグには、ツィラータール(ZILLERTAL)という南のホフブロイハウスに似た大型ビアホールがあった。日本からの出張者・来客の殆どはこのビアホールに案内するのが仕来たりの当時だったが、そのホール名が何に由来しているのかは忙しさにかまけて、今日まで調べも聞きもしなかった。

ところが、過日にテレビ番組「アルプスSL鉄道の旅」を見ていたら、アルプスを走るSL列車の6鉄道を紹介していた。 6鉄道とは @ブリエンツ・ロートホルン鉄道(スイス) Aブロネイ・シャンピー博物館鉄道(スイス) Bフルカ山岳蒸気鉄道 Cツィラータール鉄道(オーストリア) Dアッヘンゼー鉄道(オーストリア) Eシャーフベルク鉄道。

ツィラータール鉄道(ZILLERTAL-BAHN)は、かつて、イエンバッハ駅→マイアホッフェン・イム・ツィラータール駅までの31キロメートルの山岳鉄道であった由。 

あれから(ハンブルグ勤務時代から)約50年経った今、大ビアホールの名前の由来に行き当たった本人だけに意味があるエピソードだが紹介したくなって、この拙文になった。

ところで、ついでに歌劇(オペラ)とミュージカルにも、乾杯に纏わる大変に人気の素晴らしい歌唱曲があることは大方の知るところと思う。

歌劇(オペラ)では、何と言っても乾杯の歌『椿姫(La Traviata)』/ヴェルディ作曲の第一幕の冒頭で歌われる曲だ。アルフレードが乾杯の音頭を取るところから始まり、続いて全員の合唱、ヴィオレッタのソロ、そして全員の合唱からアルフレードとヴィオレッタの歌へ続き、最後に全員の合唱で終わる名場面だ。

ミュージカルでは、以前にもコメントした『学生皇子(The Student prince)』/シグムンド・ロンバーグ作曲の乾杯の歌Drinking Songが、ドイツの古都ハイデルベルグの古城に纏わるロマンチックな話でストーリーが展開する、3拍子のワルツで歌われる馴染みやすい名曲だと思う。

  2025年6月7日

飯田武昭   

  


学生皇子(The Student Prince)

  


編集部 6期の飯田さんから、原稿「乾杯の音頭」が届きました。

アルプスを走るSL列車の話がありビックリしています。先日、日本でSL列車の走っている路線を調べたのです。

⇒ 日本のSL列車路線               

1か月ぶりの投稿です。編集部のかっぱにとって有難い、有難い先輩です。かっぱが1年生の時、飯田さんは3年生でした。

飯田さんと同学年だった故松本栄一さんは、かっぱを蔵王に連れて行ってくれた先輩です。

(2025/6/9・かっぱ)