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70周年記念演奏会までの軌跡
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| <検討開始> 検討委員会にはベテランの先輩方に何人も参加していただきましたので、丁寧なご指導を受けながら意見を交わし、現役や若手のメンバーからも熱意ある発言を聞くことができました。70歳も離れたほぼ初対面のメンバーが集まって、真剣に議論する―――私にとってとても新鮮な経験で、ただただ驚くばかりでした。 今回の記念演奏会は、前回の50周年とはまた違う特徴を持たせたいと思っていましたので、「多様性と一貫性」というフレーズをコンセプトにすることを提案しました。それは次のような意味ですが、楽友三田会の活動と演奏会の検討を進めるにつれて、このコンセプトにして良かったと思うようになりました。
その後、2か月に1回のペースで検討委員会を開き、日程、場所、曲目、指揮者・オケ・ソリスト等の出演者、予算、スケジュールなどの企画案を固めていきました。メイン曲はいくつか候補が挙がりましたが、全世代共通の伝統曲といえる50周年と同じ《モーツァルト・レクイエム》に決まりました。三田会曲は、世代が異なる3名の会員に指揮をお願いし、3つの合唱団に分かれて計9曲を歌う形態としました。時期は2022年2月とし、メイン曲の指揮者、オケ、ソリストは、検討委員の先輩方のご尽力により徐々に決まっていきましたが、最後まで苦労したのは本番会場でした。この年に完成した日吉の新記念館や公共のホールも候補になりましたが、使用目的と合わず、また出演者の方々と早期に日程調整する必要があるため断念。多方面に人脈をお持ちの先輩方に依頼して本番会場選定プロジェクトを作り、いくつものホールを訪問し、ようやく2020年1月の総会の直前にオーチャードホールを使用できる見通しが立ちました。 これから実行委員会を立ち上げて、いよいよ本格準備をスタートさせよう−−このときの総会はそのような雰囲気で満ち満ちていました。 <計画延期> その後政府から緊急事態宣言が発出されましたが、長くても1年以内に収まって2年後の演奏会には影響ないだろうと考えていたのは事実です。実行委員会はオンライン開催となり、6月から出演者の募集を始めて160名の応募をいただき、練習会場の予約活動も行いました。 ところが、その後も感染拡大が続き、緊急事態の期間も長期化していきました。年が明けた2021年1月、もし利用日の1年前を過ぎて本番会場をキャンセルすると、不可抗力な理由であっても支払った前払い金が返金されないことが分かり、本番時期の延期と本番会場のキャンセルを急遽決断するに至りました。つまり、それまで練ってきた企画と行った準備の多くが振り出しに戻ったわけです。振り出しに戻ったことは残念でしたが、実行委員と代表幹事のご理解によってスピーディに延期を決定でき、全額返金が叶いました。また、この年はデルタ株の蔓延によってコロナ禍が世界中でより深刻化しましたので、もし延期しなかった場合、練習を開始することができず立ち往生してしまったことでしょう。 その後、オーチャードホールの休館が発表され、本番会場も再選定することになりました。しかし、実行委員会はそこで歩を止めることはありませんでした。技術委員会は練習計画を煮詰め、新たに情報共有ホームページのチームを作って検討を始め、プログラムチームは「楽友会のあゆみ」の原稿執筆と添削を進め、楽譜チームは著作権等の調査を進めました。これらの積極的な活動が、再計画のときに見事に実を結ぶことになります。 そして、2022年初頭から、実行委員長・副委員長をはじめとする新たな実行委員体制がスタートしました。計4つの委員会を設けて実行委員を大幅に拡充し、最終的には計78名にもおよぶ委員でそれぞれの役割を担っていただく体制となりました。コロナ禍を契機として「Zoom」を使ったオンライン会合が一般化し、いつでもどこからでも会合を行うことができるようになったことも幸いしました。平日の夜や土日の早朝など、仕事や家事の空き時間を使った打ち合わせが可能になり、各チームの人数が多くなっても、随時話し合って方針や役割分担を決めることができるようになったわけです。 4つの委員会の委員長で毎月ミーティングをもって基礎論議や情報共有を行うこととし、まず練習事務局が練習会場の調査と検討を始めました。200人前後で合唱の練習ができて、楽友三田会員に抽選参加をお願いできそうな施設を探したところ、いくつかの地域の公共ホールと日吉の藤原洋記念ホールが候補となりました。 <再計画始動> これを厳しい規制が不要になることの社会的なコンセンサスと捉え、実行委員会では2025年2〜3月の開催を前提に再計画することを決め、予算を再作成して練習会場と本番会場の予約活動を本格的に始めることにしました。練習会場は、練習事務局の毎月の作戦が功を奏し、多くの方々の協力を得て、主に品川区のホールと日吉の藤原洋記念ホールを予約できました。現役との合同練習で利用する藤原ホールの予約については、現役の皆さんに協力をお願いしました。 しかし、本番会場とゲネプロ会場はやはり決まるまでに時間を要しました。本番会場は先輩委員にお願いした特別な調整が実って、2月24日(月・休)にサントリーホールを利用できることになり、続いて、その2日前にゲネプロ会場として浜離宮朝日ホールを予約することができました。この日程を前提にメイン曲の指揮者、オケ、ソリストと再調整し、一部交代はありましたが無事出演を依頼することができました。三田会曲についても、一部指揮者の交代がありましたが、合唱団を分けずに3名の指揮者に1曲ずつ振っていただくこととし、12月から三田会参加者の再募集を開始しました。このときの募集チームの活躍は見事なもので、1月に入ると4年ぶりに対面開催した新年会での大キャンペーンを挟んで応募がぐんぐん伸び、目標180名のところ何と210名を超える応募をいただくことができました。 4月から始まる練習は、ゲネプロを除いて計12回(現役のみの練習を除く)となりましたが、この限られた日数で満足できる演奏を行うためには相当綿密かつ効果的な練習計画が必要になります。技術委員会では、何度も調整を重ねて時間配分やピアニストおよびヴォイストレーナーへの依頼を含めた練習計画を固めていきました。中でも三田会曲は、指揮者が3名いますので、まとめ役をお願いした委員に調整していただきました。また並行して、全曲・全パートにわたる音取り音源も用意してホームページに掲載し、練習前の自主練習を参加者へ呼びかけました。一方、楽譜チームは、著作権に留意しながら各自での楽譜購入と一部の曲はホームページからのダウンロードを促し、練習事務局は、会場の手配に続き、参加者への着席案内をはじめ事前準備と当日の進行等を担うことになりました。 <練習開始> この後も月1回の練習に向けて各委員で準備が進められましたが、ホームページを使った情報共有が効果を発揮し、中でも特筆すべきは練習動画の公開でした。練習の状況を収録して分かりやすいコメントを付けて編集しホームページで公開。練習を欠席した方、復習をしたい方に大いに役だったことは間違いありません。指揮者やヴォイトレの指示も画面に表示され、効果的な練習の助けになりました。 練習開始の前後の時期には、チケット販売チーム、プログラムチーム、祝賀会(兼新年会)幹事も本格的に動き出しました。続いて、寄付金の募集も計画しました。チケット販売については、全席をオンラインサイト「Teket」で販売することとし、オンライン操作が困難な方への購入支援を計画。プログラムチームはチラシの作成を始め、その後プログラムのページ構成を決めて原稿依頼へと進みました。 祝賀会については、X9期が主幹事でしたが、X5期の協力を得て会場選定を行いました。サントリーホールから近いこと、もし300人を超えても収容できること、参加費が高額になり過ぎないことを条件に候補を探し、サントリーホール内のブルーローズを申込み、6月の代表幹事会以降本格的に準備が始まりました。 練習は8月から「質を高める練習」と位置づけ、11月の初回マエストロ練習に向けて加速させていきました。一方、現役は定演曲であるフォーレ・レクイエムと並行してモツレクの練習もスタートし、10月からの現役・三田会合同練習に間に合わせることができました。2つの大曲を同時並行で練習するのは前代未聞の難事業ですが、メイン曲担当の若手指揮者が熱心に現役を指導した成果といえるでしょう。 11月から場所を藤原洋記念ホールへ移し、いよいよ初回のマエストロ練習が行われました。マエストロのタクトは、誰もが想像を超えるものと感じたはずで、我々の意欲を存分に引き出す練習となりました。 <本番へ向けて> ノルマを設けずに果たしてチケットが売れるのか当初から心配されていましたし、更に寄付も集まらなかったら赤字になるところでしたが、このような結果を出せたのは、楽友会・楽友三田会全員による成果であり、我々の結束力も捨てたものではないと実感した瞬間でもありました。 年が明けて1月、実は最後の難題がまだ残っていました。本番当日に演奏中を含めて事務方として手伝っていただくスタッフがまだ十分に集まっていなかったのです。外部からお招きしたフロアマネージャから人数不足を指摘され、急遽追加募集を行ったところ幸いにも数名を超える応募をいただき、1月末に「本番事務局」を立ち上げました。しかし、もう本番まで1か月もありません。メンバーをステージ係と会場係に分けて、打ち合わせを繰り返し、ゲネプロ会場と本番会場の現地下見も行いながら、猛スピードで準備を進めました。この慌ただしさは、実に本番が終了するまで続きました。 並行して、プログラムチームは年末年始の休みを返上してプログラムの校正作業と印刷の手配を行い、録画録音係は録画・録音・写真の手配を、対外折衝係は出演者の先生方と契約手続きを進めました。 一方、2月に入ると、パートリーダーが中心となって本番ステージの並びを決め、それに準じた席で歌う練習が始まりました。楽譜チームからは楽譜の綴じ方・持ち方も打ち出されましたので、合唱団員が本番を強く意識し身の引き締まる思いだったに違いありません。 このような準備を経て、無事にゲネプロそして本番を迎えることができました。本番の演奏会とその後の祝賀会が盛会となったことは言うまでもありません。 検討開始から約7年にわたる長い道のりでしたが、ご指導・ご出演いただいた先生方、度々ご助言とご支援をいただいた顧問の方々、会計係・書記係を含む検討委員・実行委員の皆様、そして楽友会・楽友三田会の会員および関係者・協力者など全ての皆様のご努力に敬意を表し、御礼に代えさせていただきます。
楽友三田会会長・70周年記念演奏会実行委員長 遠藤 敦 (2025/4/24) |
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