第15回「歩こう会」
武蔵野
桜ウォーク
三門 康男(15期)
2009年4月5日(日) 参加メンバー 34名
[花小金井〜 ]赤見紘子、池田一雄、市村正明、大石博國、大竹虎彦、川島修、川村和男、桐山祥子、工藤光世、斉藤栄造、佐藤節子、佐良土雅文、佐良土美恵子、豊岡守紀、中小路修、中濱鐵志、橋本曜、平尾慶子、三門康男、吉武優子
[武蔵小金井〜 ]井尾稔子、岡田加代子、草野真理子、玉木美智子、田村晴美、椿博子、椿さんご主人、舟山幸夫 、峰岸篤子
[柴崎〜 ]粟根潤子、久保美恵子、田村陽子
[喜多見〜 ]小川晴子、富田陽子
花小金井駅に集まったメンバーは20名。予定の時刻、9時30分にこの日のウォーキングを開始。改札口から、駅の階段を下り、外にでると、早くもサクラやこぶしの花が目に飛び込んできた。
今回のウォーキングは二つの点で、気をもんだ。ひとつはサクラの咲く時期、もうひとつは当日の天気。3月21日にサクラの開花が宣言され、あーあ、満開の日は3月の末ころか、こりゃ、4月5日は葉ザクラか、と。そして当日の天気は一週間前の予報だと、みごとに雨。ところがどっこい、春は名のみの〜風の寒さや〜〜、サクラのつぼみはしっかりと身を守り、気温が上がるのを待っていてくれた。おかげで、開花日から2週間たった、ちょうどこの5日が満開に近い日となる。天候も前の夜に雨が降り、当日は雨上がりのしっとりとした朝を迎えることができたのである。
多摩湖自転車道(土手の上が道)
花小金井の駅前から多摩湖自転車道を歩く。この道はこのあたりを起点にして多摩湖堰堤のたもとあたりで終点になるサイクリング道路。自動車が通る道ではないので歩きやすい。しばらく行くと土手っぱらを歩いている感じになる。この土手を下り、私達は小金井公園に向かう。ここは小平市花小金井南町。
多摩湖自転車道 |
武蔵野の五日市街道から多摩湖に至る水道導水路の上と多摩湖一周の一般道路沿を利用して設置された大規模な自転車歩行者専用道路。
起点の保谷市新町3丁目(五日市街道)から、田無、小平、東村山、東大和、武蔵村山の各市を抜け、多摩湖をほぼ一周し、東村山市多摩湖町3丁目に至るまでの路線で、都立小金井公園サイクリングコース、都立狭山自然公園サイクリングコースなどと結び、並行して緑道も設置されている。武蔵野の面影と歴史のロマンが漂う玉川上水、野火止用水を抜けて自転車歩行者専用の鹿島・多摩湖橋、アカマツ林や雑木林の丘陵が湖畔に迫る多摩湖をほぼ一周するコースまで、全長21.9km。 |
9時50分、小金井公園に着く。広い公園だ。 77ヘクタール。日比谷公園の4.7倍だそうだ。 やがて前方に大きなサクラの木が。 吉武さんがそれをみて、「あー、空がピンクに見える」。 その木の下で記念撮影。 公園をしばらく歩くと、ウオー、これぞ桜の園!!サクラ、さくら、桜・・・、やよいのそ〜ら〜は、見わたすかぎ〜り 。
10時25分、公園を出て武蔵小金井駅に向かう。玉川上水を渡る。水量が少ない。今回初めての参加である中小路君(15期)は晴れ男を自任している。今回は彼の参加が晴れにつながったか。今後、毎回参加してくれることを祈る。
10時40分、武蔵小金井駅に着く。9名と合流。計29名で歩く。小金井街道を南下し、程なく左の道に入る。坂道を下り、金剛院というお寺を右に見て、「はけの道」に入る。実はこの下り坂、野川を作っている国分寺崖線の「がけ」そのものであった。国分寺崖線は古多摩川がその流れと地殻変動により作った河岸段丘であり、段丘の上は武蔵野台地。この河岸段丘が作る崖のことを「はけ」と呼ぶ。しかし、何故「はけ」という呼び方になったのかはよく分からない。工藤光世さん(14期)がなんで「はけ」って言うのかしらと疑問を呈した。御本人は「きっとガケ(崖)からハケになったのだわ」と一人で納得していたけれど。
この報告文を書くにあたって、大岡昇平の「武蔵野夫人」を読んでみた。もちろん初めて読んだ小説だ。昇平さん、「はけ」に関する勉強をかなり突っ込んでしていたようです。「はけ」に絡んだいろいろなお話が出てくる。小説そのものの内容もなかなかに刺激的なものだ。
大岡昇平「武蔵野夫人」、冒頭部分での「はけ」の由来に関する推論 |
『土地の人は何故そこが「はけ」と呼ばれるかを知らない。「はけ」の荻野長作といえば、この辺りの農家に多い荻野姓の中でも、一段と古い家とされているが、人々は単にその長作の家のある高みが「はけ」なのだと思っている。
中央線国分寺駅と小金井駅の中間、線路から平坦な畠中の道を二丁南へ行くと、道は突然下りとなる。「野川」と呼ばれる一つの小川の流域がそこに開けているが、流れの細い割に斜面の高いのは、これがかつて古い地質時代に・・・古代多摩川が、次第に西南に移って行った跡で、斜面はその途中作った最も古い段丘の一つだからである。・・・・・・・
・・・・・斜面の裾を縫う道からその欅の横を石段で上がる小さな高みが、一帯より少し出張っているところから、「はけ」とは「鼻(はな)」の訛だとか、「端(はし)」の意味だとかいう人もあるが、どうやら「はけ」は即ち、「峡(はけ)」にほかならず、長作の家よりは、むしろその西北から道に流れ出る水を遡って斜面深く食い込んだ、一つの窪地を指すものらしい。』
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この辺りは武蔵村山から世田谷まで延々続く国分寺崖線の中でも特に豊かな森が続いており、通称「はけの森」と呼ばれているところ。私達はこの森に沿った「はけの道」をしばらく歩き、「はけの森美術館」で小休止。裏庭を散策する。ここで、今回、初めてウォーキングに参加された方々をご紹介。峰岸篤子(8期)さん、久保美恵子(12期)さん、玉木美智子(井尾さんのご友人)さん、中小路修(15期)君、田村晴美(16期)さんの5名。
裏庭には湧泉があり、水が湧き出ている。その水の流れに沿って、「はけの小径」が美術館の前から、南に向かってつづいている。この小径、幅1メートルほどで、100メートルも満たない距離だけれど、「なかなかいい みち だね〜」(池田君15期)。
その小径の終わったところは住宅地で、そこからすぐに脇道に入る。突き当ったところが野川。市村さん(9期)「なにか見たことがある風景だな」と。それもそのはず、去年の同じ時期にこの川の反対側の道を上流に向かって歩きました。この辺り、枝垂れ桜が咲いてきれいでした。今年はこの枝垂れ、すでに終わってしまっているのか、花は咲いていなかった。さあ、これから下流に向かってのウォーキングです。メンバーはまだまだ元気。空は曇っていたけど、寒くもなく、暑くもなくウォーキングには最高の条件に近いか。
300メートルほど歩くと、そこは武蔵野公園。広々とした空間が広がる。サクラが満開に近い。大きなこぶし(モクレン?)の木がいたるところで大きな白い花を咲かせている。「はけ」からの水を運ぶ小川で子供たちが何かを網ですくってジャムが入っていたような小瓶に入れている。何が捕れたのと聞くと、そばにいたお父さんが恥ずかしそうに「みずすましです」。
今年はカワセミとの出会いが去年より多かったような気がする。野川を下りながら、いたる所で、この鳥を観察することができた。鳥がホバリング(空中で静止)をするのも観察できた。見知らぬカメラマンが超望遠のファインダーをのぞかせてくれた。カワセミの体がはみ出しそうなくらい大きな画像だ。佐良土さんが今年も素晴らしい写真を撮ってくれた。彼は何気なく写真を撮っているが、結構決定的な写真を撮っている。画像もなかなかだ。腕がいいのか、カメラがいいのか?(ちなみにカメラはキャノン製ではないそうだ)
自然といくつかのグループにわかれて、ウォーキングは続く。先端から最後尾まで200メートルくらい離れているか。しばらくして、野川公園に入る。ここも川沿いにサクラがほぼ満開。歩く、歩く。水車小屋を通り、右手に東京天文台を見て、やがて深大寺に到着。12:50。我々は去年と同じお蕎麦屋さんの嶋田屋に入る。席がすでに用意されており、順番を待つことなく、席に着くことができた。
深大寺境内で記念撮影し、13:50深大寺をあとにし、後半のウォーキングを開始。この日、深大寺でウォーキングを終了したメンバーは平尾さん、中小路君、工藤さん、佐良土美恵子さん、吉武さん。
予定の時間より20分ほど遅れている。田村陽子さん、粟根さん、久保さんが柴崎にすでに着いていると、連絡が入る。うわー、芝崎までまだ20分以上かかりそうだ。これは怒られる。「田村さんがこわい」なんて言っていたら、それを聞いておられた峰岸さん、まじめな顔をして、「田村さん(9期)はそんな人じゃないわよ。やさしい人よ」と仰る。はい、わかっております。峰岸さん、すいません。軽い冗談のつもりでした。
この辺りもサクラがいっぱい。それに川の岸辺には菜の花が一面に黄色い花を咲かせ、そこに白い鳥・シラサギやあいがもが川の中を歩いたり、泳いだりしている。ピンクと黄色と白。 そうそう、どのあたりだったか、2メートルまではいかないか、かなり長い蛇が冬眠から覚めたのか、ゆったりと川岸のところで体を動かしていた。
京王線ガード下近く(柴崎)に到着14:30。田村さん、粟根さん、久保さんと合流。峰岸さん、赤見さん、草野真理子さんのこの日のウォーキングはここまで。
ガード下からしばらく歩いたところで、椿さんご夫妻がこの日のウォーキングを終了。自宅は調布市西つつじヶ丘。 このあたりからすぐそばとのこと。さて、この日のウォーキングもいよいよ打ち上げ会場に近づいてきた。 時間がかなり押している。打ち上げ会場は16:30〜19:00までの予約。このままで行くと17:00を過ぎそうだ。かなりの距離を歩いてきたので、みんなの足もだいぶ疲れてきている。それでも、メンバーのみんなに発破をかける。「このままでいくと、打ち上げの時間がなくなるかもしれません。頑張って歩きましょう」。
小田急線ガード下(喜多見)で、小川さんと富田さんが合流。岡田さんのウォーキングはここで終了。次大夫掘公園を通り、野川を渡って、砧公園へ向かう。足が重くなったメンバーも出てきている様子だけれどみんな頑張っている。女性軍:桐山さん、佐藤さんは花小金井からの参加だけど、すごい脚力だ。スイスイ歩いている。
ついに砧公園に到着。人が大勢だ。この公園は、戦時中は防空緑地、戦後は都営のゴルフ場として開放されていた大緑地。ここも小金井公園に負けないサクラの賑わいだ。枝が地面近くまで伸びていて、目の高さでサクラの花を楽しむことができる。
砧公園のサクラ
そうそう、上の写真のあたり、芝生の真ん中に欅の大木が一本スーと天に向かって伸びていましたよ。小川さんが、「これ私のケヤキよ、素敵でしょ」。私「え?」。小川さんによると、この公園はご自宅からの散歩コースであり、来るたびにその四季折々の姿を見つめつづけているそうだ。それはそれは愛情のこもった表情でこの木のことを説明してくれた。一本の木と人との縁・・・いいですね。
この公園には谷戸川という川が流れている。その水が噴き出しているところに吊り橋がかかっていて、その橋をみんなで渡り、人、人、人の中をかいくぐるように公園の出入り口に向かう。
私達は、予定だと馬事公苑のサクラを見て、桜新町の打ち上げ会場「こなもん(古無門)」へ向かう予定だったが、時間が押したため、馬事公苑は通りから中を覗くだけで、そのまま通過。だいぶ足が重い。メンバーのみんなもかなり疲れたと思う。それでも歩く、歩く。17:10、ようやく「こなもん」に到着。みんな頑張りました。さいごは飲みたい一心でした。玉木さんとはここでおわかれ。残った23名で打ち上げ会場「こなもん」の門をたたいた。
女性軍:桐山さん、佐藤さんは完走。全長23キロメートル。
三門 記