その他の趣味・同好会
|
思い出のニュー・ヨーク その5− 橋と猫
|
||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||
ニュー・ヨーク市の中心であるマンハッタンは南北に伸びている幅、約4km、長さ約20kmの島です。島の東側はイースト川 East River、東側の北の方はハーレム川 Harlem River、マンハッタンの西側であるニュー・ジャージー州との間はハドソン川 Hudson Riverで囲まれています。西側のハドソン川ではニュー・ジャージー側との間に橋はなく地下トンネルで結ばれていますが、東側のイースト川では地下トンネルと幾つかの橋がかけられています。思い出のニュー・ヨークの最終回ではニュー・ヨークの市民生活を支えている橋のいくつかを紹介させていただきます。また、ニュー・ヨークで出会った猫ちゃんもご覧いただきます。 ◆
最初はスタテン島とブルックリンを結んでいる@ヴェラザノ=ナローズ橋 (Verrazano-Narrows Bridge)です。
この橋はニュー・ヨーク・シティ・マラソンのスタート地点として知られています。船でニュー・ヨークの港に入港するには必ずこの橋の下を通過しなければなりませんが、船が通過できる高さを橋の「クリアランス」と言い、潮汐によって上下するのですが、この橋はマックスで69.5mです。(横浜港のベイブリッジは55mであり背の高い大型客船は通過できませんが、船のため橋を高く設計することは地形や用地確保や費用の関係から簡単にできるものではありません。)
◆ マンハッタンの南側(北半球中心の地図では下側)から順に橋の姿を見ましょう。
◆ Aブルックリン橋 Brooklyn Bridge
◆ 続いて、Bマンハッタン橋 Manhattan Bridgeです。
◆ 次は全体像の写真を探したのですが、きれいな写真が出てこなかったCウィリアムズバーグ橋 Williamsburg Bridgeについて少し触れておきます。ジャズファンの方なら一度は聞いたことがある話なのですが、この橋はサキソフォン奏者ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930 - ) が 1959年から1961年にかけて演奏活動を休止中に、この橋の上で練習を積み重ねた場所として知られています。その結果、生まれたのがロリンズのアルバム、1962年の“The Bridge”、(RCAのレーベル)です。 https://www.youtube.com/watch?v=mm5sDGblSzA と https://www.youtube.com/watch?v=ZtY9hpg7sic&list=RDMM&start_radio=1&rv=pF-o5cWzKzM もしくは https://www.youtube.com/watch?v=ZtY9hpg7sic https://www.youtube.com/watch?v=9fo-Lz7lJJw 音律の難しい話は横において、旋律で聞かすのではなく、絵画で例えればアブストラクトのような世界が広がってくるアルバムなので好き嫌いはあるでしょうが J.F.Kennedyが大統領に就任した1961年当時のアメリカに音楽でふれることができます。(公民権を主とする“偉大なる社会”政策は1965年に大統領に就任したジョンソンが提唱しています。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア博士のワシントン大行進における演説、「Now is the time.・・・・・・」そして「I have a dream that one day this nation will rise up and live out the true meaning of its creed・・・」は1963年のことです。人種と文化の坩堝のU.S.A.の多様性、奥深さの一つがジャズであることも理解できます。) ◆ 次は イースト川を少し登ったところにある Dクイーンズボロ橋 Queensboro Bridgeです。
◆ 「思い出のニュー・ヨーク」では主に建築物の写真を紹介してきましたが、最終回の締めくくりはジャンルをがらりと変えニュー・ヨークで仲良くなった猫3題です。オフィスビルやアパートが密集しているマンハッタンでは野良を見かけることはありませんでした。マンハッタンの猫は人間以上に贅沢で洗練されたアパートメント生活を送っているのが普通のようです。 猫の最初は、今は使われなくなったハドソン川の川岸に残っている桟橋が公園となっているところを散歩していたときに出会った子猫ちゃんです。若いダックスフンドをつれ日光浴をしていた若い女性が連れていたよちよち歩きの子猫です。
撮影した場所はエリアでいうとグリニッジ・ヴィレッジ (Greenwich Village)の西側、ハドソン川に残っている桟橋の公園です。グリニッジ・ヴィレッジといえば、「亜麻色の髪の乙女」で知られるグループサウンズのヴィレッジ・シンガーズ(Village Singers)のグループ名※や、書籍と雑貨の販売で知られるヴィレッジヴァンガード社(通称ヴィレヴァン)の社名のもととなっているのですが、ジャズファンにとっては”ヴィレッジ・ヴァンガード”という名称はジャズの聖地の一つとなっているジャズ・クラブVILLAGE VANGUARD 、アドレスは 178 7TH AVENUE SOUTHであり、このクラブでのライブ演奏は、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス、ディジー・ガレスピー、チャールス・ミンガスなどなのレコードで知られています。 ここでは日本でのジャズの普及に大きな影響を与えたアート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズのライブ録画を紹介しておきます。19分45秒あたりから店内の様子の画像がみれます。 https://www.youtube.com/watch?v=4zVVqsUDrmQ
参考、ニュー・ジャージー州側からみた橋のないハドソン川とマンハッタン
◆ 次は、二度ほど泊まったアルゴンキン・ホテル(THE ALGONQUIN HOTEL、 59 West 44th Street)の猫です。「アルゴンキン」とはアメリカとカナダにいる原住民の部族の名前に由来しています。このホテルがある近辺は、今風で言うブティック・ホテルも多いのですが、ニュー・ヨークのプライヴェート・クラブ(同窓会組織や趣味の団体など)のオフィスが多くあったことで知られ、すぐ近くにはヨットレース、America’s Cupの歴代の王者であったニュ―・ヨーク・ヨット・クラブの建物(37 West 44th Street、設計はGrand Central Terminalの外装を設計した建築家でニュー・ヨーク市のランドマークなどに指定されている)があります。 このホテルは主に二つの点で知られています。一つはこのホテルが1920年代の“狂騒の20年代 Roaring Twenties”もしくは“ジャズ・エイジ”と呼ばれた時代、このホテルのサロン・食堂がジャーナリストや文筆業のたまり場となっていて、その部屋がそのまま残って使われていることから時代を理解するに、わかり易い場所だということです。ちなみにアメリカの禁酒法の期間は1920-33年でした。 このホテルを有名にしているもう一つはレセプションで宿泊客を迎えてくれる“アルゴンキン・キャット”がいることです。
◆ 「想い出のニュー・ヨーク」のエンディングはアッパー・ウエスト・サイドに棲む猫ちゃんです。
もう10年以上も前のことですが、あるところで知り合った老年カップルがいます。当時すでにご主人がたぶん80歳過ぎ、奥様が60歳すぎの老年カップル、詳しいことはお聞きしなかったのですが、奥様は若いとき学生時代、ある大学のビッグバンドの歌手としてかなり名が通っていた方のようでした。ご主人は多分、政党関係者もしくはインテリジェンス関連の方のようで、広くはないもののアッパー・ウエスト・サイドの90番街近くのアパートに猫2匹とともに住んでおられました。二年ほど経ってe-mailで、奥様が発病され治療のためフロリダへ転居するとの連絡がありました。多分連絡が途絶えがちになるだろうとのことでした。その後、連絡はありませんでした。この二匹、手元にある映像で、いつまでも凛々しい恵まれた猫としてニュー・ヨークの記憶に留まっています。
2021年12月14日
|
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|