
讃辞を呈せずとも
有馬 大五郎(楽友会顧問)
ワグネルが100回、楽友会が13回と慶應人の意気や軒昂たるものがある。輝かしい伝統のまえに、大きく慶應に向って裃をつけて讃辞を呈する必要もあるまい。人間のもつ長い習慣というものはおそろしい。だから塾の学生のやる音楽会は恰好が整っている。「誰がそれを創ったともなく」である。
その上に学生たちの合唱は例外なく上手である。どうかこれからも若人の熱意で、
この怖るべき習慣を50年も100年も続けていってください。この約束さえしてくれたら、今日までのKEIO BOYSとGIRLSの楽界に対する貢献を認めてよい。
今夜も楽界の歴史に貢献の一つとして残るだろう。どうか歌いつづけてください。学生の息吹きは永遠に残る。この人たちは齢を重ねるとともに世の恩人といわれるだろう。
第13回定期演奏会プログラム:虎ノ門ホール(64年12月23日)