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「エンビ服」
岡田 忠彦
2月9日、帝国ホテルの退任パーティには、何かと大変お世話になりました楽友会顧問、安西英太郎先生をはじめ、草創期のメンバーの林光、小森昭宏、小林亜星、伊東毅の諸氏をはじめ、大阪、和歌山など地方在住の楽友三田会員から現役の学生諸君まで、300余名からなる大パーティで、44年間の私のささやかな会への貢献を祝福していただきまして、誠に身に余る光栄と恐懼感激いたしました。
ご出席の皆様また所用のため出席はできなかったがご支援賜りましたすべての皆々様と、このパーティのためにご尽力された役員と、当番年度役員の皆さんに、この稿をかりてここに深甚の謝意を表しますと共に、楽友三田会と楽友会に涯りない発展を念願いたします、有難うございました。
さて、昭和25年4月女子高校創立のとき、同校創立委員の故池田弥三郎先生と、初代校長故中村精先生の肝煎りで、日吉の音楽愛好会の男声との混声合唱が誕生し、早速日比谷公会堂に於ける”春の合唱祭”に、モーツアルトの「グローリア」で初舞台を飾りました。
またこの年の秋、中等部、女子校、日吉校の、3校合同による音楽会が11月10日、有楽町読売ホールで開催され、それこそ夏休みも返上し天地創造の猛練習を重ね、この記念すべき演奏会に総力をあげて邁進いたしました。プログラムの概略は、
○中等部全学年、各クラスの合唱
○器楽の演奏
○女子校の女声合唱
○日吉校の男声合唱
○オラトリオ「天地創造」
ピアノ演奏には、小島初子さんも出演され、フルートの独奏は峰岸壮一君、チェロ独奏は伊東毅君、そして自作自演、ロンド・ト長調ピアノ独奏、林光君(1950年作)。
また指揮者では女声合唱の中浜佑子さん、それに男声合唱の十合啓一君、そして超大曲、ハイドンの「天地創造」ですから午後12時半にはじめて4時過ぎまで、盛り沢山な音楽会でした。
この天地創造の独唱者には、当時中等部に居られた今は亡き清々しいソプラノの志賀朝子さん、志賀さんにはその後の楽友会定期演奏会にたびたび登場して頂きました。テノールは井上貞一先生、バスは横田孝先生、そしてアルトは、第3部の終曲大合唱のなかの鶴のひと声「アーメン」をひきうけて下さった川崎ハル先生。それにオーケストラ演奏をピアノで獅子奮迅の渡辺恵美子先生。この楽友会の伝説的「天地創造」の指揮では、エンビ服にその容姿をバーン!ときめました(?)。きめたそのエンビ服−何をかくそうそれは、親友故宇賀神敏道氏からの借物でした。

会友: 林 光 小林亜星 小森昭宏 (敬称略)


