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会長になって 役員にしても代表幹事にしても、あるいは、新年会の当番幹事でも、皆さん忙しい中、時間を作って楽友三田会のためにボランティアで活動している。会社に勤めていれば、その働きは、給与あるいは将来の昇進等で返ってくる。しかし、三田会の活動にはそのようなものは無縁だ。楽友三田会のために、何の見返りも求めず活動している。現役のとき、一緒にジョイントコンサートをしていた関西学院のスクールモットー「Mastery for Service」の精神に近いのかもしれない。 岡田忠彦先生を偲ぶ会で
「岡田忠彦先生を偲ぶ会」でも、代表幹事の方に当日の受付・会場案内等をお願いしたところ、非常に多くの方からご協力のお申し出をいただいた。人手が不足しているなら「後輩にも声をかけます」と言ってくださった方もいた。 「偲ぶ会」の実行委員についても、自ら委員に名乗り出てくれる方が何名もいて、岡田先生に対する楽友三田会会員の想いの強さ、楽友三田会の絆の強さを再認識した。 しかも、楽友三田会会員には優秀な方が多い。昨年の岡田忠彦先生を偲ぶ会では、それを特に強く感じた。多くの方から提供していただいた岡田先生の写真をスクリーンに投影するスライドムービーの作成、会場で流す岡田先生ゆかりの曲の選曲と音源の調達、多くの人が混乱なく受付を済ませられるように動線を考慮した精密な受付のレイアウト図、「偲ぶ会」にふさわしいパンフレット等々、仕事の合間を縫いながら皆さん完璧な仕事をしていた。
「偲ぶ会」ではホールの通路が少なく、どのようにスムーズに献花台に向かっていただき、献花後に自席に戻っていただくかが課題であった。私が作った拙い説明資料に一部誤りがあったにも関わらず、担当の方は、スムーズに献花台へご案内していただいた。 また、受付の方や会場案内の方の臨機応変な対応など、さすが三田会の皆さんと思わせるものだった。 「岡田先生を偲ぶ会」では、現役が、上田真樹さん作曲の「鎮魂の賦」の終曲「春の日」を歌ってくれた。六連の定期演奏会やマリスステラコンサートを控え多忙を極める中、この会のためだけに練習し歌ってくれた。
しかも、ホールのステージ中央に祭壇を置き、合唱するスペースがないため、2階席で歌ってほしいというこちらの希望を快く受けてもらった。指揮者、ピアニストがステージ、合唱団が2階客席という非常に歌いにくい状況に慣れるため、「偲ぶ会」の3日前にホールを使って練習もした。岡田先生とはほとんど交流がないにも関わらず、このように協力してくれた現役には感謝の気持ちでいっぱいである。 時は流れて 岡田先生の時代は、学生指揮者はルネッサンスから現代の曲まで取り上げていたが、定期演奏会のメインは、バロック・古典派・ロマン派の宗教曲。ほぼ4年に一度、モーツァルトの「レクイエム」を演奏していた。 栗山先生に替ってからも最初のころは、モーツァルトの「レクイエム」やドボルザーク、フォーレ等を取り上げていたが、この10年ほどは、メインステージはシアターピース。栗山先生のもう1つのステージは、ルネッサンス・バロック・20世紀の作曲家の作品・邦人曲、学生指揮者のステージは邦人曲、という構成が多い。最近は、定期演奏会では、古典派、ロマン派はほとんど歌われていない(マリスステラコンサートの合同ステージでロマン派の曲が時折歌われるようである)。 古典派、ロマン派にも魅力的な曲がたくさんあるのに取り上げないのは、もったいない気もする。もっとも、高校までに古典派、ロマン派は歌い尽したので、大学では、ルネッサンス・バロックや20世紀の曲を歌いたいというのであれば、そうなのかもしれないが。 いずれにしろ、指導を受けた指揮者が世代によって異なり、また、現役の時に歌った曲の傾向が少し異なるという現実がある。 現役の諸君と話していて、昔とはずいぶん違うんだ、と思うことはよくあるが、「岡田忠彦先生を偲ぶ会」で「塾歌」を歌う時に、何調で歌うかを聞かれ、びっくりした。「塾歌」はC durに決まっていると思っていたら、現役はDes durで歌っているとのこと。原曲はA durのユニゾン、高田三郎さんがC durの混声4部に編曲したものを歌っていたが、いつの間にかDes durで歌われるようになってしまった。 確かに、現役の「愛唱歌集」を見るとDes durの譜面が、信時潔作曲、高田三郎編曲として載っている。高田三郎さんがC durで編曲したものをDes durに移調して歌うのはそれなりの理由があれば構わないのだろうが、Des durに移調した楽譜を高田三郎編曲として「愛唱歌集」に掲載してよいのであろうか。 「塾歌」は調が違うだけだが、「若き血」も「慶應讃歌」も「丘の上」も2種類の編曲ができてしまった。 最近は復活したようだが、「愛唱歌集」を作らない時期があったことが連続性を失った原因かもしれない。 世代を越えて 2つの版があった「慶應讃歌」と「丘の上」は、11期伴博資、62期眞田修平の両名により、新しく編曲し直された。このHP「楽友」でも新編曲の譜面(*がダウンロードできる。一度頭にしみ込んだカレッジソングを覚えなおすことは大変だが、楽友三田会全員が歌えるようになれば素晴らしい。 現役は、未来の楽友三田会員である。現役の活動をよく知ること、三田会のことを知ってもらうことは、楽友三田会としてとても大事なことだ。その意味で毎年夏に開催している現役との交歓会は、絶好の機会。どのようにしたらOBOGが楽しんでもらえるか、現役がいろいろと企画してくれている。ぜひ積極的に参加してほしい。今年は、初めての試みとして交歓会の前に現役との「交歓コンサート」を開催することとした。定演は、寒い冬の夜にやっているし、六連の定期は時間が長いし、と演奏会に出かけることを躊躇される方もいるかもしれない。 「交歓コンサート」の会場は、日吉の藤原洋記念ホール。現役の演奏をきちんとしたホールで聴いてほしい。ぜひ現役の演奏を聴きに、そして一緒に歌いに行きましょう。 その時その時の楽友三田会員が現役とお互いに理解を深めていくことが、楽友三田会自身のためにも価値のあることだと考えている。 (2017/6/6) ■ ■ ■ ■ ■ |
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