演説館(FORUM)

「楽友フォーラム」開設について

 

編集部


ホームページ「楽友」をオープンして1年たちました。去る5月26日にアクセス数が1万件を突破したので、統計的には、既に1千人の人が一人10回はこのWebを訪れてくれたことになります。

個人的な趣味で始めたブログのようなものでしたが、開設早々「若山カッパ」という、超ハイテク仕事師が助けにきてくれ、二人で着々と内容の充実と整備を進めるうちに、楽友三田会の公式ホームページということになってしまいました。

こうなると、個人的な思い入れだけで事を進めるわけにはいきません。より多くの人に参加してもらい、できるだけ多くの資料やデータを集め、それらを基に「楽友会」の過去と現在を知り、皆でよりよい「楽友会」を築いていくためのメディアとする必要があります。

そこで、今月から”FORUM”を開設することにしました。三田山上には「演説館」が今も健在で、さまざまな意見や討論が交わされ、あるいは研究成果発表の場として活用されています。福澤先生は教育者であるとともに、「時事新報」を創刊されるなどした言論界の先駆者であったこと、皆さんご承知のとおりです。

私たちもそのひそみに倣い、この場で活発な意見交換を行いましょう。けれども一つ心配があります。それは、楽友人は概して慎ましく謙虚なのか、いつもは大声で歌い、仲間内では大はしゃぎするのに、いざ会議となると急に静まってしまうのです。このホームページでもなかなか原稿が集まらず、BBSへの投稿も稀で、せっかく楽友三田会や同合唱団専用のフォルダーを作っても、ほとんど活用されません。

これでは公式化した意味がありません。一人でも多くの人がこのホームページに関与することによって、あるべき未来の「楽友会」を育てたく思います。

当面はしかたがないので、編集部から種々の問題を提起します。それに対し、皆さんの意見をどしどしお寄せください。氏名明記が原則ですが、匿名希望ならそれでも結構です。あなただけの「楽友ネーム」と「期」だけを書いて投稿してください。長さや提出時期は自由ですが、できるだけメール添付で寄稿してください。メールアドレス等の個人情報は公開しませんので安心してください。なお、原文は尊重しますが、読みにくい個所は編集部で適宜添削させていただきますので、あらかじめご了承ください。(オザサ/2009年7月7日)

”FORUM”とは「古代ローマの公会広場」に源を発する難しい言葉です。「公開討論会」という意味です。何故そんなことを知っているのかといいますと、私どものOR学会の国際連合があり、3年毎の国際会議を実施しています。全員が集まる特別講演があったり、テーマ別のパラレルの発表会場があったりします。その中に「フォーラム」という名の発表会場が設けられることになっています。昔は、何枚かのポスターを用意されたブースの壁面に貼って、発表者はそのブース(売り場)の売り子役をやります。お客が来ると「さあ、いらっしゃい」としゃべり出します。縁日かお祭りの広場の叩き売りさながらです。どの学会も”FORUM”という語を使っているわけではありません。別の学会では”Paper Fair(論文市場)”と呼んでいました。わが主幹が”FORUM”という語を持ち出してきたのに「さずがに博識!」と思うのみです。

丁度一年前、オザサ主幹が「楽友仲間から原稿を募ってホームページを作ろう」と夢を語ってくれました。それから、始まった「楽友」のページ作り、毎月の新ページの追加や更新はおびただしい数になります。ページ設計からサーバーのファイル更新をわれわれ編集部の2人が専任でやっているので、すぐに皆さんの眺める各ページが改訂されます。もし、この仕事をIT業者に頼んでやっていようものなら、どれ程の時間がかかるか知れやしません。

一概には言えませんが、ある年代より上の方々は少年少女の頃から文章を読む訓練、書く訓練を知らず知らずのうちに受けてきました。クロニクルや記念文集に掲載されている文章をお読みになればすぐに気がつくことですが、高校生時代に書いた文章が「大人の文章」であり、それを書かせる「ものの考え方(哲学)」に一本筋が通っているのを感じさせます。私はこの40年間の大学生の文章力の低下をまざまざと見てきました。今の大学生たちのレポートは読むに耐えません。起承転結も知らない可哀相なものです。そういう学生たちに「卒業論文」を書かせるのは大変なことです。目次と第1章ができたところで提出させて「赤」を入れます。ページは真っ赤になります。

皆さん、わが編集部ではオザサという主幹がフルタイムで「寄稿」を待ち構えています。名文を書く必要はありません。主幹は喜んで立派な記事になるよう手を貸してくれます。編集部は皆さんからの「素材提供」を心から望んでいます。

日立中央研究所から私の学科に教授として来られ、長年にわたりご指導いただいた嶋田正三先生から「仕事や原稿書きを頼むなら、忙しい人に頼みなさい」と教えられました。忙しい人ほど仕事が速いのです。その他に「酒の飲み方」も教わりました。飄々とされたいい爺さんでした。(わかやま/2009年7月7日)


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