リレー随筆コーナー

福庭自治公民館長のレポート



 土井承夫(24期)


    

  平成30年度 第十回 定例役員会 2018年10月6日(土)
 館長報告 >
館長 土井 承夫(どいよしお)

スポーツの秋と言います様に、運動のしやすい季節となりました。皆様お元気ですか?

毎週末に大型の台風が襲来し、この前の日曜日、福庭を流れる北田川では水位が上がって氾濫寸前となり周辺住民の方々は不安な夜を過ごされました。しかし、この現場に実際に遭遇したことでこのような緊急時には「行政側のどこに連絡をとって、どう対応したら良いか」ということが体得でき今後の大きな糧ともなりました。「防災マニュアル」には書いてない具体的な手続きや「川にも種類があって、それにより県や市の管轄者が異なること、そしてテレビ映像でよく観る洪水は川の「決壊」であって、これは両サイドの堤防が水位より高い場合に起こるもので北田川のような水位と岸壁が同じ高さの場合は「水が溢れる」と表現し、例えそうなったとしても「ゆっくり水が地面を動くだけで数時間は床下浸水の様な被害には至らない」・・・実は、このような話は行政側の担当部署としては当たり前の知識かも知れませんが 一般住民にとっては未知の内容でありそう教えられただけで現場でどれだけ安堵した事か分かりません。「防災マニュアル」を整備するのも勿論大切ですが、こういう肝心な内容も普段の行政側と住民間の啓発活動を通して丁寧に教えられるべきだと強く思いました。

<今月の重要事項>

(1)

「福庭自治公民館新築プロジェクト」の進捗(しんちょく)状況について
<財源>
1. 8月と9月の「館長報告」でも説明しましたが「倉吉市からの助成金や補助金」は最高限度額を確保できました。(合計で 1,590万円

2. 「公民館の新築」に使っても良いと規定されている福庭自治公民館の貯金は合計で約682万円(特別会費と積立金会計の合計)〜一般家庭の生活費にあたる一般会計には一切手を付けない。〜

3. これに(A案) 自己負担金一世帯、最大5万円をお願いする。これは住民からの自主的な寄付金の額によって4万円→3万円→2万円と下がっていく。最大5万円の場合は総世帯数約420なので約2,100万円となる。

(B案)現在の公民館費を倉吉市の平均的な額まであげる。
即ち、持ち家は月あたり約1万円、アパートは約7千円〜 現行の額より1〜2千円の値上げとなる。このケースの場合10年間続けたとして全世帯で約1,000万円を捻出できる。

このA,B 2つの案については8月「館長報告」(追加分)の2ページで言及していますが、「館費値上げ」はそれが定着してしまうのではという疑念が起こるでしょう。それに対して自己負担金は一回限りであり最大5万円であれば,金銭的な面で「自分も新築に貢献できた」という前向きな感情も期待でき、私の個人的な希望も(A案)が良いと思います。この選択についてはこれから住民の皆さんのご意見を集約して行きます。
4. 自主的な寄付金の金額にもよりますが今回の新築プロジェクトの 財源の総額は概略で(A案)の場合は約 4,500万円〜5,000万円、(B案)は約3,300万円〜3,500万円です。

<重要>いずれの場合も最終的に財源が不足する場合は、今まで何回も言及してきた倉吉市が行っている「自治公民館施設整備資金貸付」制度を利用します。これは「貸付額:100万円以上2,000万円以下」で「償還期間:15年以内」です。8月の「館長報告」で記述した上余戸自治公民館殿はこの制度から約1,400万円を借りておられます。そして自己負担金一世帯当たり15万円を集めて総額5,500万円で新築されています(尚、一応ご参考までに、近郊の新築自治公民館の一世帯当たり自己負担金は FH公民館、SD公民館とTJ公民館がいずれも一律30万円だそうです)。

私は4月、5月の「館長報告」で「強制的な自己負担金はゼロ」とか「このプロジェクトは絶対失敗しない」と豪語しました。然し、それも満更ウソでもなくて、それに近い形で実現しそうです。「仕事で失敗しない」ためには「常に最悪の事態を考えておく」ことです。〜このプロジェクトの最悪の事態とは、自己負担5万円でさえも反対多数で否決された場合です。・・その場合は、前述の「市の整備資金貸付制度」から借れる金額を,上余戸自治公民館並の1.400万円程度に設定します。世帯数が上余戸の1.5倍ある福庭が15年以内に返済できないはずがありません。そして上余戸は新しい土地代がかかったのに対して福庭は今の公民館敷地に建てるので旧建物の解体費が必要なものの土地代がいらないので、この点上余戸よりかなり有利です。

これで新福庭自治公民館建設の財源の確保・見通しはつきました。
 

(2)

最後に残った作業は8月の「館長報告」に述べている福庭自治公の法人化の手続きです。1ページで述べている倉吉市からの助成金満額1,590万円は、福庭自治公民館が法人化されている事が前提条件です。8月の報告書5ページにその手続きの内容を書いています。その作業は次の予定で行います。同8月の館長報告にありますように、これには「第一ステージ」と「第二ステージ」があります。

(イ) 第一ステージの「法人手続き」は現在の連名名義7名の財産目録、住民名簿、総会決議の証拠書類、公民館規約が揃えば、あとは申請するだけなので短期間に出来、司法書士等の専門家の関与は必要ありません。その様に以前アドバイス頂きご自分がこの件は担当すると言われた土井博文 副館長に来年2019年1月2日(水)の総会で「総会決議の証拠書類」を得た上で、当局に申請して頂きたいと思います。宜しくお願い致します。

(ロ)第二ステージ〜「地権者からの権限移譲」については、専門的な経験と知識が必要であり、専門家への依嘱が必要です。 今までの館長報告で再三申し上げているように今回採用する司法の 専門家は「福庭としがらみや利害関係の全くない」私の出身会社本社人事・法務部のアドバイスを受けて決定する首都圏の弁護士か司法書士です(福庭に事務所のある司法書士の方にも本件が始まる5月ごろにご了解頂いています)。

私は11月初旬に別件で3日間上京しますのでその際にH社本社に伺おうと考えています。計画としては、今年中に選任を終え来年初旬から作業にかかります。

以前にも申し上げましたが、選任された東京の弁護士さんが頻繁に倉吉の現地を訪問される必要はありません。これだけメールやインターネット(SNS)が普及している現代、通信のほとんどはこれらの媒体を使用します。倉吉に来られるのは最初と最後くらいでしょう。ですから交通費や宿泊費の心配は不要です。ただ、採用するからにはこの分野に確固たる実績をお持ちの方とし短期間で作業を完了して もらいます。そのためにコストがかかっても短納期で完成度の高い方が最終的なメリットは大と考えます。4月「館長報告」に上杉鷹山(うえすぎようざん)のお話をしました。この種のお金の使い方は常に「費用対効果」(ROI〜return on investment)を考えて行います。必要なお金は使って最大の効果を獲得し倹約はその上でやればいいのです。

だから、上杉鷹山は後世まで「倹約の殿様」として尊敬されているのです。
成果を出さない倹約は倹約とは言わない」という事です。〜成果が求められない仕事は仕事とは言えない〜と同じですね。
 

(3)

この公民館新築プロジェクトのメンバーは来年2019年1月2日(水)の総会で方針内容が承認されるまでは、6月「館長報告」7ページで言及しているように、館長兼総務部長の私と土井博文 副館長そして会計担当の土井洋子の執行部4役とさせて頂きます。(もし自分がやりたい思われる方は遠慮なく仰ってください。前向きに検討します。)

総会以降、新公民館工事の具体的絵地図作成の段階に入れば福庭のその道の専門家をはじめ広く人材を求めます。そして現在の20班長代議員制役員会を通して民主的に住民の皆さまから部屋数や間取りや設備・備品装飾等のご希望をお聞きして参ります。勿論、業者選定についても民主的に検討して参りますが、あくまでもスピード感をもって行います。このスピードについてこれない業者の方には申し訳ありませんが外れて頂きます。これにより9月「館長報告」2ページで申し上げたように・・・

新福庭自治公民館の完成は2020年(オリンピックの年〜即ち再来年の今から2年3か月後)の12月末を目標とさせて下さい。

   

    

<館長の行動日誌(9月分)>

9月1日(土)
定例役員会開催(福庭公民館・役員総数30名)内容は報告済。
9月2日(日)
波波伎神社宮掃除に参加。(朝7時より毎月第一日曜日実施)
9月6日(木)
シルバー倉吉で開催された「敬老会」に来賓として出席。
9月7日(金)
館長会(上井公民館)、10/28(日)開催予定の「あげい祭」の要領等について打ち合わせた。内容は各部長から連絡済。
<今月のトピックス>
9月9日(日)

総事(そうごと)を予定通り行った。当日の朝、「大雨警報」が市内に発令されたが、次の理由により強行した。

1. 私は、午前2時ころから起きていて外の様子を伺っていたが午前2〜3時の間の雨が一番強く朝に向けて確かに強い雨 だったがその勢いは衰えつつあった。

2. 「雨」だけで「風」はなかったので30〜40分間の作業であればカッパ等を身に着けて作業できると判断した。

3. 「大雨警報」がでたら「総事」は中止というような倉吉市の規則も通達も条文の様なものも一切ありません。そもそも「そうごと」というような日本語の単語はなく、このひらかなをパソコンで変換しても「総事」は現れません。
この「そうごと」というのは鳥取県だけの特有な言い方で他府県では、住民の自主的な「一斉清掃」と表現されます。

4. そして、この「総事」は市の専権事項ではなく、あくまでも市内221の自治公民館がそれぞれ自主的に行っているもので、やるかやらないかの判断はその公民館に任されています。
したがって、その最終判断をする公民館長は、あらゆる事情を考慮した上で決断します。今回は上記の気象条件の他にたくさんのパレット等の機材とトラックが準備完了していた事や次週以降に延期になると公民館役員の多くが都合がつかないという事情がありました。
しかし、一番大事なのは「安全」です。「安全第一」の事を「セイフテイー・ファースト」と言います。アメリカのトランプ大統領が「米国第一主義」とよく言っていますが、これは「アメリカ・ファースト」となります。同じですね。
ですから、ギリギリまで待った午前7時15分に放送した担当の産業土木部長は最後に次の言葉を付け加えました。
すなわち、「・・だだし、風雨が強まったり雷が鳴って危険が差し迫った場合には直ちに作業を中止いたします。その条件で総事の作業を開始します。」と。

5. そうは言っても皆さんの中には、古くから「警報が出たら作業は中止」という感覚があるので直ちには納得できないと思う方もいらっしゃるでしょう。勿論、それを全部排除するつもりはありませんし、「慣習」が積み重なると列記とした法的強制力を持つ「慣習法」に到達する事も私は知っています。今後、この件でご意見のある方は是非、各班長を通して役員会に挙げてください。私に直接言って頂いても結構です。
私の携帯番号は080-4261-1979です。

6. 福庭自治公民館は「民主主義」でもって運営しています。
民主主義とは皆さんが忌憚ないご意見を自由に 出し合って 一番良い結論にもっていくやり方です。しかし、それは皆さんお一人お一人に阿(おもね)ってご意見を伺う「大衆迎合主義」とは全く違います。前から申し上げている様に、最後の結論は「小さな政府」が強力なリーダーシップで纏め上げるもので、それは「強引な運営」とは異なるというのが私の信条です。これは7月「館長報告」の8ページの<補足>の中で申し述べています。何卒、ご理解ください。

9月11日(火)

上井公民館主導の「町づくり研修旅行」に参加。上井地区17 自治公民館から2名ずつが参加し、バス1泊2日旅行で高知県の南国市と高知市に行って現地の公民館との交流や高知市周辺の歴史を散策した。詳しくは、また機会を見つけて報告します。

9月13日(木)

倉吉市役所企画産業部人権課主催の「男女共同参画会議」に出席。

9月21日(金)
倉吉市役所の徳丸宏則建設部長と小谷卓徳 同部次長に私の拙宅へお越し頂いて「3号公園からの重機、資材、工事残骸撤去」について協力要請し10月上旬までに完全撤去頂いた。
建設部の迅速な対応に感謝しています。特に担当の黒川英明係長には懸命の対応を頂いた。余計なことだが、こういう担当者の悲痛な努力とか思いをもっと上司は真剣に胸に刻むべきだ。この事はすでにメールで同部には申し入れ済み。
9月22日(土)
第3回倉吉北高校「高校レストラン」で昼食を戴く。普段交流のある河北グラウンドゴルフ同好会の年配の女性のお三方もお連れし、楽しいひと時を過ごした。次回は11月3日(土)の予定です。
9月26日(水)
上井公民館で開催された「あげい祭り」の交通安全部会に出席。
9月28日(金)
倉吉北高校「秋の運動会」に来賓として出席。その内容については今月10月「館長報告」(本編)の「一服コーナー」で報告済。
9月30日(日)
福庭東公民館で開催予定の「同和講習会(勉強会)」に参加予定だったが、台風24号の影響で延期になった。
            〜以上が「館長の9月行動日誌」です。

    

〜 館長のちょっと一服コーナー 〜

―福庭にある「倉吉北高等学校」の特集です。―
昭和30年代半ばに設立された松柏学園「倉吉北高等学校」はこの福庭にある唯一の高等学校として福庭自治公民館との交流の歴史も長い。3年前に鳥取中央育英高校の校長をされていた福庭町16班の横山 尚登(よこやまひさと)氏が育英高校定年後すぐさま請われてこの倉吉北高の校長に就任された。公立高校での長年にわたるご経験と穏やかで誠実なお人柄をもって最近は北高生の眼が輝いてきた。

私と同校との関係は、3年前に東高合唱部の定期演奏会でたまたまゲスト出演した北高合唱部の素晴らしい演奏に感動してお手紙をさしあげたところ、合唱部のサポーター的な役回りを仰せつかることになり現在に至っている。最近は地元の公民館長として合唱部の活動にとどまらず、他の行事にも参加させて貰っている。その交流の一端をご紹介したい。

<先日の運動会に来賓として出席して>・・・(2018年9月28日、同校校庭)

   

現役高校生の運動会をそばで見るのは、もう20年近く前にシンガポールの日本人高等学校(当時の「渋谷幕張シンガポール校」)で、私の長男が出場したのを観て以来だ。常夏のシンガポールでは「真夏の運動会」であり、今回の北高の秋の運動会は気候的にとても爽やかで、やっぱり日本の運動会のほうが良いと思った。生徒はマナーを守って規則正しく動き 見ていて好印象だったが、プログラムのチラシをみてそのテーマの記述にとても感じ入った。
その運動会のテーマとは生徒が考えたそうだが、それは次の通りである。
    〜「The Time is Treasure」・・・・「思い出は一生」〜である。

何が凄いかというと英語の意味は直訳すると「時は宝なり」となるが、その格言に込められた「だから今この時を大事にしよう」というニュアンスを「今日の仲間との貴重な思い出」に置き換えて、「それを一生大切にしよう」と言っている。こういう若者の新鮮なセンスはもっともっと評価されるべきだ。英語の直訳とそこから展開する日本語訳がかなり異なる事例は70年代の西洋のポップスの題名に顕著に出てくる。例えば次の通りだ。

 
 <歌手>
 英語の原曲名
 その直訳
 実際の日本語の曲名
  カーペンターズ I Need To Be In Love 愛されたい 青春の輝き
  同上 Close To You そばにいたい 遥かなる影
  ショッキングブルー Railroad Man 鉄道員 悲しき鉄道員
  エルトン・ジョン Your Song 君の歌 君の歌は僕の歌
  サイモンと
  ガーファンクル
Bridge over
  Troubled Water
激流に架かる橋 明日に架ける橋
         
 
今回の「思い出は一生」と考えた生徒さんに会ってみたいものだ。きっと素敵な若者だろう。合唱部の活動や高校レストランのお話はまた機会を見つけてレポートします。


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